三重県の葬儀の風習とは?守るべきしきたりや伝統、マナーを解説
三重県には葬送における独自の習慣・風習があるため、馴染みがない人は驚くことも多いです。しかし、葬儀の風習を知らずに参加することはマナー違反にあたる場合もあるため、地域ごとの特色をしっかりと把握しておくことが重要です。今回は三重県の葬送習慣や神道の影響、三重県ならではの風習について解説するため、ぜひ参考にしてください。
三重県ならではの葬送習慣とは
葬儀におけるしきたりや伝統、マナーのような葬送習慣は、地域差が大きいのが特徴です。
日本では古くから自宅での葬儀が主流とされてきましたが、現在では全国的に葬儀場・公営斎場での葬儀が非常に多くなっています。しかし、三重県では未だ7割以上もの人が自宅での葬儀を行っているという特徴があります。
自宅での葬儀は準備にも手間がかかるため、親戚や近隣住民のサポートが不可欠です。以下では、三重県ならではの葬送習慣について詳しく解説します。
「組」による助け合い
先述の通り、自宅での葬儀が多い三重県では、近隣住民での助け合いが重要です。
三重県では近隣10軒ほどを1組としてグループを作り、地域によっては組ごとに葬儀の準備を進めています。組内で人が亡くなった場合は葬儀の打ち合わせに同じ組の住人が参加したり、仕事を休んで組内の葬儀を優先したりするエリアもあるほどです。
エリアによって意味が異なる「非時(ひじ)」
そもそも「非時」とは、僧侶が食事をとることを控える時間を指す言葉です。
三重県ではエリアによって非時の意味が異なり、葬儀後の会食を指す場合もあれば、近隣住民に計法・足代を合わせて配るしきたりを指す場合もあります。
さらに、会葬の返礼品を表して非時と呼んでいるエリアもあります。同じ三重県内でもエリアによって大きく意味が異なるため、葬儀の際には注意が必要です。
村香典を渡す
村香典とは、自治会の各家庭から香典を集めて渡す習慣です。
先述の「組」に入る家庭に限らず自治会単位で出し合うのが特徴であり、主に三重県の西部エリアの伝統のひとつとなります。
通夜見舞いを渡す
通夜見舞いとは、お通夜に参加する際に渡す1000円程度の香典のようなものです。
通夜見舞いは次の日の葬儀に参加するという意思表明の意味合いも持ち、正式な香典は葬儀に御霊前として用意するのが一般的です。
神道の影響を受けているのが特徴
三重県の名所といえば伊勢神宮が挙げられます。
伊勢神宮には天照大神が祀られており、葬儀においても神道の影響を受けたと考えられる特徴が多いです。以下では、神道から影響を受けた葬送習慣について詳しく解説します。
神葬祭が多い
神式の葬送儀式にあたる新葬祭は、神社や自宅、斎場で行われるのが一般的です。
しかし、全国的に見ると神葬祭を実施している人は1〜 2%ほどと非常に少なく、その理由のひとつとして神葬祭ができる神社がないことが挙げられます。三重県には、日本で唯一神葬祭が実施可能な「祖霊社」という神社があるため、神葬祭を選択する人は10%を上回ります。
前火葬を採用するケースもある
特に神道の影響が強い三重県南部エリアでは、一般的な後火葬ではなく前火葬を選択する人も多いです。
火葬を先に済ませるのは、死穢(しえ)を避けるためであるといわれています。
不幸があると注連縄を外す
三重県南部エリアでは、一年を通して注連縄を飾っておく習慣があります。
しかし、家族に不幸があった場合には注連縄を外さなければなりません。注連縄は仏教における忌明けにあたる「尸揚(しあげ)」まで外しておき、尸揚が過ぎれば再び玄関に飾られます。
三重県ならではの葬儀の風習
三重県には、エリアによって独自の葬儀の風習があります。
三重県ならではの葬儀の風習の例は、以下の2つです。
胡椒汁を飲む
三重県では、精進落としの際に鰹出汁を使った汁物である胡椒汁を飲む風習があるのが特徴です。
胡椒汁には涙が出るほどの胡椒が入っていることから、涙汁とも呼ばれています。
熊野地方独自の風習
熊野地方は三重県のなかでも葬儀に関して特徴的な風習があることで知られています。
自宅で仮通夜を行った後は、火葬、本通夜、葬儀の順に進めますが、故人の配偶者は葬儀には参加しません。また、葬儀の際は男女分かれて参列者を並ばせます。さらに、故人の配偶者は、初七日から四十九日までの間、お墓参りを1日も欠かしてはならないとされているのが特徴です。
まとめ
今回は、三重県で特徴的な葬儀の風習やしきたり、伝統、マナーなどを詳しく解説しました。葬送習慣や葬儀の風習には、地域によってさまざまな違いがあります。三重県では天照大神大御神を祀る伊勢神宮があるため、葬送においても神道に習った特徴が多いです。また、自宅葬が一般的であることから近隣住民との葬儀における助け合いも重視されており、他県から三重県に引っ越す場合には、事前に三重県独自の葬送習慣やしきたり、マナーなどについても十分に理解しておくことが重要となります。通常の香典とは異なる村香典や通夜見舞いなどを支払うケースもあるため、葬儀当日に焦らないよう忘れずに準備しましょう。三重県に引っ越す予定がある人、三重県で行われる葬儀に参加する予定がある人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。
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引用元:https://saihokaku.jp/
斎奉閣(さいほうかく)は、三重県内に22の会館を展開し、近隣の会館を安心してご利用いただける体制を整えています。50名以上の厚生労働省認定の葬儀ディレクターや三重県初の上級グリーフケア士が在籍し、質の高い葬儀サービスをご提供しています。もっと詳しく知りたい方は、公式サイトから相談してみましょう。